巻くだけ、貼るだけの耐震補強で
大地震に耐えるピロティに変える。
昭和56年以前に建てられたピロティのあるマンションで耐震補強をお考えの方へ
1960年代までは一階が駐車場や店舗になっているピロティは、機能性に優れる上に、免震的な効果もあるとされ、世界中で作られました。しかし、1970年代の地震でピロティ部分が潰れる被害が相次ぎ耐震基準が強化され、現在ではピロティは建築が難しくなっています。
そのピロティを耐震補強することで、想定を超える地震に耐え、機能的で安心して利用できる建物に変えることが出来ます。その新たな方法が収震です。
従来の耐震補強では大規模な解体や長期間にわたる工事、コストの面等で多くの問題があり、耐震補強を実施しにくいことが問題とされています。収震工法では既存の駐車場を利用したままで工事を行うことが出来、大掛かりな解体作業をせずに少人数での施工、短工期でかつ安全に補強することが可能です。ピロティのあるマンションを安心で快適に利用することが出来る工法、それが収震工法 SRF工法です。もちろんピロティ建築以外の鉄筋コンクリート造の建物にも採用できます。

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SRF工法とは
SRF工法は、鉄やコンクリートを足すのではなく、しなやかで切れない材料を用いることで揺れを収め、仕上げ、設備を含め、建物・施設の使用継続性を確保する方法です。
これまでの耐震、免震、制震に代わる新しい耐震工法です。

想定を超える大地震から構造体の破壊を防止し、地震の後も使用可能な建物を
つくる耐震補強工法(包帯補強)です。
SRF工法(耐震被覆・包帯補強)は、しなやかで強靭なポリエステル繊維のベルトやシートを、ウレタン系一液性無溶剤接着剤で鉄筋コンクリートの柱や壁に貼り付け、巻き付ける工法です。鉄筋コンクリートの表面を覆うことにより超靭性的な構造材にする工法です。鉄筋コンクリートの損傷と破壊を直接防止し、地震エネルギーを安定した変形の繰り返しに変換することで揺れを収める収震の効果が、各種の実験及び実際の大地震で確認されています。
SRF工法は、想定を超える地震力による柱や梁、壁などの変形に追従することで構造体の破壊を防止し
建物を守り、度重なる揺れを受けても元に戻る性質により、地震の後でも使用可能な建物を作ります。
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特徴
建物に居ながら、営業しながら補強工事が可能
SRF工法は「巻くだけ」「貼るだけ」のシンプルな工法でありながら、鉄筋コンクリートの弱点を直接補強するので非常に効果的です。
補強方法は、補強する柱や梁の周り50㎝~1mの範囲を養生し、1組2~3人の手作業で行えます。補強を行う時間は1層当たり、1時間程度で完了します。
構造体を補強するための大規模な解体や大掛かりな機材の使用を行わず、養生時間もかなり短く、臭気もなく、騒音も少ないため、営業しながら、建物に居ながらでも工事が可能です。
低コストで安全
一般的な連続繊維補強や鋼板巻きによる補強コストは、補強面積1㎡あたり2~5万円に比べSRF工法は1~4万円程度であるのに加え、居ながらにして工事を行えるため新しい場所へ移動を行ったり、工事期間中に場所を借りるなどの費用がかかりません。
また、アウトフレームや耐震ブレースなどの大掛かりな補強工事に比べると、重機などの使用が無く、特殊な工具を使用せず、人の手で貼る為、従来工法に比べ費用が抑えられかつ、安全に工事が行えるのも特徴です。
臭気や粉塵がほとんどなく安心
使用する接着剤は一液性無溶剤ですので臭気が無く、作業は高延性材(包帯)を巻くだけのなので粉塵もほとんど立ちません。
工事中の騒音もほとんどありません。
また、ホルムアルデヒドなどの有害物質を含んでいませんので、耐震補強後も安心して建物をご使用できます。
公的機関評価
SRF工法によるRC建物の柱、壁の補強については、日本建築防災協会の技術評価を取得しています。IS値(耐震指標)をクリアする補強に用いることができます。
豊富な施工実績
北海道から沖縄まで全国の事務所ビル、宿泊施設、マンション、学校、病院、公共施設など2200件以上の耐震補強工事に使用されています。
また、土木構造物の代表的な施工事例として、東京から新大阪まで東海道新幹線の高架橋脚(柱)1200本余りに採用されている実績があります。
機能的で安全なピロティを確保
上記の表にあるように、旧耐震基準(昭和56年以前の建物)でピロティ建築物は阪神淡路大震災において、約4割もの被害を受けていることが調査で明らかになっています。また、新耐震基準(昭和56年以降)の建物でも、ピロティ建築物は10%の被害にあっていることが報告されています。このことは、新耐震基準の建物であっても、想定を超える大地震に対しては危ないことを示しています。
特に1階のピロティは建物の避難経路を閉ざしてしまう可能性が高いため、安全性の確保がとても重要となります。
しかし、土地の有効活用、利便性を考えるとピロティの存在価値は大きく、日常生活と密接した関係にあるといえます。
そこで、機能性、利便性のあるピロティをSRF工法で補強を行うことで、震度7クラスの地震が数回襲っても壊れず、しかも揺れが少ない建物にすることが重要なのです。そのことは、振動台実験によって確認され、東北地震でも実証されています。
ピロティに、SRF工法を加えることで、機能性と安全性を兼ね備えた新しい建築様式が誕生します。
ピロティ振動台実験
独立行政法人防災科学技術研究所の大型振動台を用いて、同研究所と東京大学と共同で偏心ピロティ(片側に壁が偏り、一階部分に壁が少なく倒壊の危険性が高い構造)の振動実験を実施。SRF工法は、震度7の地震波に耐え、計7回の大地震波を加えても、安定して振動し倒壊しないことが実証されました。





「阪神淡路大震災における 神戸市灘区および東灘区のRC系建物の被害率」
旧耐震基準 新耐震基準
1971年以前 1972年~1981 1982年(昭和56年)以降
ピロティ 40% 35% 10%
一般建築 7% 13% 4%
(「阪神淡路大震災と今後のRC構造設計」日本建築学会作成資料より)
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補強場所および補強方法

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SRF工法の高延性材(包帯)と従来補強材との比較
